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医局員インタビュー

目に見えるものだけじゃない

基礎研究を通して、患者の中で起こっていることがわかる外科医へ

小島 光暁

助教

高知大学医学部出身。東京医科歯科大学病院医学部附属病院の初期臨床研修プログラムの後、同病院の救命救急センターに入局し、1年間のレジデント生活をおくる。藤沢市民病院に出向し、2年間の外科研修、外科の専門医を持った救急医として再び大学の救命救急センターでリーダーとして勤務し、並行して大学院に入学、基礎研究を行う。カリフォルニア大学サンディエゴ校へ研究留学、帰国後は臨床、研究ともに指導する立場として活躍している(204)。

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ただちに手術をしないと助からない患者がいる−ならば自分が

私が研修医1年目の時に、当院の救命救急センターが発足しました。そこで、外傷や急性腹症に対して初期治療、緊急手術から術後管理まで一貫して行う自己完結型の救急医療を経験しました。一方、研修医2年目に地方中核病院で研修した際には、夜間の人員不足や専門医不在などで救急患者を断らざるを得ない状況を目の当たりにしました。昨今の報道でも問題視されているように、外傷やショック状態で緊急手術が必要な患者さんにとっては、搬送先が決まらないこと(医師不足によるたらい回し)は予後不良と直結します。私は、外科医としてのサブスペシャルティをもった救急医の充実が、この問題の解決につながると考え当プログラムを選択しました。

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豊富な手術症例と、幅広い救急医療の経験

私は、卒後3年目に当院救命救急センターで勤務した後に、関連施設での外科研修を修了して外科専門医を取得しました。救命救急センターと外科関連施設のローテーションにより、一般消化器、胸部、末梢血管、外傷外科や感染創のデブリマンなど、common diseaseから希な症例まで幅広く学ぶことができました。当院では、3次救急を含む年間約8000台救急車を受け入れているため、手術だけでなく初期診断/治療や集中治療も豊富に経験できます。また、ドクターカーによる病院前救急や災害医療にも力を入れており、災害派遣(DMAT)やoff the job training(BLS, ACLS, JATEC)など病院外で活躍する機会も多くあります。

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さらなる高みを求めて。研究、そして留学

当院は基礎、臨床を問わず研究の指導体制も整っており、個人の希望に応じて、研修プログラム修了後の大学院進学や海外留学といった選択肢もあります。私自身も、大学院4年次から海外留学の機会を頂いて、現在、米国のカリフォルニア大学サンディエゴ校で出血性ショックや敗血症後に生じる多臓器不全の研究をしています。研究活動や海外留学のサポートは、大学ならではの魅力の一つであると言えます。

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これから外科を志す人たちへ

救急初期診療、緊急手術(救急/外傷外科)及び術後集中治療を三位一体で実践する外科分野をAcute Care Surgeryと呼びます。生命の危機に瀕した重症患者さんを救命することは、外科医の原点とも言える魅力溢れる分野です。

最近、日本でもAcute Care Surgery学会が発足し、外科、救命救急の垣根を超えて多くの医師が参加しています。他の外科領域に比べると、新しい分野ですので、これから外科医を目指す皆様にとっても十分に活躍のチャンスがあると思います。救急、外傷、災害医療などに興味のある方はもちろん、まだ外科のサブスペシャルティを決めかねている先生方にとっても、貴重な経験が出来るプログラムだと思います。多くの方の参加をお待ちしております。

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